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ゼニス デファイ スカイライン クロノグラフが新登場。

ゼニス デファイ スカイラインシリーズはますますラインナップを充実させているが、ある重要な複雑機構が欠けていた。その欠けたピースが、いま揃ったようだ。

ゼニスのデファイ スカイライン クロノグラフは、クロノグラフを注力してきた同ブランドの系譜と、現行のオールマイティーモデルとを効果的に融合させた新作となった。

先日、直径45mmのデファイ エクストリーム(いくつかの派生モデルを含む)を紹介したが、今回のリリースはやや過激さを抑えており、発表された3つのリファレンス(ブラック、ブルー、シルバー)すべてに42mmのスティールケースが採用されている。ケースの厚みやラグからラグまでの全長は公表されていないが、3万6000振動/時(5Hz)で駆動するこれらの新作クロノグラフは100m防水、ねじ込み式リューズ、スティール製ブレスレットとラバーストラップの両方が付属する(いずれもクイックチェンジ対応)。

依然として人気の高いブレスレット一体型スポーツウォッチのデザイン言語を踏襲するデファイ スカイライン クロノグラフは、ゼニスの自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロ3600を採用。3万6000振動/時で動作し、10分の1秒までの表示(センターセコンド針による)を備えている。また、4時30分位置にはデイト表示も搭載した。ダイヤルをよく観察すれば(エル・プリメロ3600を知らない人は、なおさら注意深く眺めることになる)、クロノグラフスタート後、センターセコンド針が10秒ごとに1回転するのがわかる。ダイヤル上に60分積算計らしきものが追加されているのは、それが理由だ。このムーブメントは、インダイヤルとしてスモールセコンド(時刻用)、60秒計、60分積算計を備えている。

定価は176万円(税込)、3色からお好みの色が選択可能だ。

我々の考え
はっきり言って、僕はこの時計がすでに存在しているものと思い込んでいた。ゼニスがエル・プリメロを搭載した時計を発表するチャンスを今まで逃していたとは思えないからだ。むしろこれは非常にゼニスらしい時計であり、デファイ スカイラインのラインナップにおいて極めて自然なリリースであることは明白だ。

デファイ スカイライン クロノグラフはゼニスのクロノグラフのラインナップを拡大し、特にウブロのマーケットに割って入るものだ。エル・プリメロ、リバイバル、そしてクロノマスター・スポーツのような、ゼニスの定評あるモデルに代わるエル・プリメロ搭載モデルとして満を持してラインナップに追加されたのである。

基本情報
ブランド: ゼニス
モデル名 : デファイ スカイライン クロノグラフ(Defy Skyline Chronograph)
型番: 03.9500.3600/51.l001 (ブルーダイヤル)、03.9500.3600/01.l001 (シルバーダイヤル)、03.9500.3600/21.l001 (ブラックダイヤル)

直径: 42mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: 3色(上記リファレンスのとおり)
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: スティールブレスレットとラバーストラップが付属(いずれもクイックチェンジ機能あり)

ムーブメント情報
キャリバー: エル・プリメロ3600
機能: 時・分表示、10分1秒計測クロノグラフ(中央のクロノグラフ針は10秒で1回転)、スモールセコンド、60分積算計、60秒計、日付表示
直径: 30mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時(5Hz)
石数: 35
追加情報:センター秒針で10分1秒を計測するため、インダイヤルにはクロノグラフ用の60秒計とクロノグラフの60分積算計を搭載。中央の大型秒針は10秒で1回転する(60秒で1回転ではない点に留意)。

価格 & 発売時期
価格: 176万円(税込)

新しく生まれ変わったヴィンテージCal.135、そして160年にわたるゼニスの精度追求。

ゼニス G.F.J.、ブランド創業者に捧げるヴィンテージクロノメトリックの復活

ブランドの歴史に詳しいなら、文字盤上の3文字とシンプルなモデル名の意味はすぐに理解できるだろう。ジョルジュ・ファーブル=ジャコ(Georges Favre-Jacot)を知らなければ少々首をかしげるかもしれないが、それでもまったく問題はない。要するにこの名前はゼニスの歴史、すなわちエル・プリメロ誕生以前の時代に深く根ざした姿勢を示しているのである。

A Zenith GFJ
2022年、ゼニスはカリ・ヴティライネン(Kari Voutilainen)氏と協力し、復元されたヴィンテージのCal.135-Oを搭載した10本限定の時計を製作した。当時のこれらに搭載されたムーブメントは、1950年代初頭にニューシャテル天文台コンクールに実際に出品された個体である。多くのコレクターは、このきわめて生産数の少ない限定モデルを、ここ数十年で最良のタイムオンリーゼニスと見なしている。38mmのプラチナケース、コンブレマイン製のギヨシェダイヤル、そしてヴティライネンによる手仕上げのムーブメントを備えたこのリリースは大きな成功を収め、ゼニスのクロノメーターヘリテージを時計界に強く印象づけた。

今回発表されたG.F.J.において、ゼニスは2022年の限定コラボレーションをさらに発展させた。このストーリーは完成した時計そのものと同様に、ムーブメントにも深く関わる内容である。

An old Zenith ad
1945年、ゼニスの技術部長であったチャールズ・ジーグラー(Charles Ziegler)は、エフレム・ジョバン(Ephrem Jobin)という時計師に、天文台コンクールの頂点を目指せるクロノメータームーブメントの開発を命じた。ジョバンは、独自の輪列配置を採用した13リーニュのCal.135を設計した。オフセンターに配置されたミニッツホイールによって、大型のバイメタル切りテンプ、“ギョームテンプ”(ブレゲひげゼンマイ付き)と大径の香箱が搭載可能となり、等時性と精度が向上した。最終的に、この“プレミアム”仕様であるCal.135-Oは天文台クロノメーターコンクールにおいて230以上の部門別最優秀賞を獲得。時計史上、最も多くの受賞歴を誇るムーブメントとなった。

“ノーマル”バージョンであるCal.135は、1948年から1962年にかけて約1万1000個が製造された。基本的には、Cal.135-Oと同一のムーブメントである。天文台コンクール用にはゼニスの精鋭時計師であるシャルル・フレック(Charles Fleck)やルネ・ギガックス(René Gygax)らが、Cal.135のなかから優秀な個体を厳選し、調整・レギュレーションを施すことでCal.135-Oへと仕立て上げたのである。

A Zenith GFJ movement
The Zenith GFJ buckle
The Zenith GFJ dial macro
2025年に登場する新作G.F.J.において、ゼニスは1962年以来初めてこの伝説的キャリバーを製造することとなった。新Cal.135は、オリジナルの設計とサイズ(直径13リーニュ、厚さ5mm)を忠実に踏襲しつつ、ごくわずかに再設計が施されている。1万8000振動/時(2.5Hz)で駆動する手巻きムーブメントは、オリジナルの約40時間に対して約72時間のパワーリザーブを実現。トップセコンド機構を備えつつCOSC認定を取得しているが、実際にはCOSC基準を大きく上回り、日差±2秒以内の高精度を誇る。ムーブメントの受けには、ル・ロックルにあるゼニス本社の赤と白のレンガ造りのファサードをモチーフとした、特徴的な“ブリック”ギヨシェスタイルで飾られている。

G.F.J.は直径39.15mm、厚さ10.5mm、ラグからラグまでが45.75mmのプラチナケースに収められており、程よいサイズ感を備えた現代的な時計である。サイズこそ現代的だが、段差のついたベゼルやラグにはヴィンテージから着想を得たディテールが随所に見られる。

A Zenith GFJ dial macro
文字盤中央にはゴールドのパイライト(黄鉄鉱)を自然にちりばめた、深いブルーのラピスラズリが配されている。アウターリングにはムーブメントと同様、“ブリック”ギヨシェ模様が施され、6時位置に配された大型のスモールセコンドはマザー・オブ・パール製で、豊かな質感とコントラストを生み出している。面取りされたホワイトゴールド製のアワーマーカーと、40個のホワイトゴールド製ビーズによるミニッツトラックはすべて手作業で植字され、スリムなWG製の針が全体のデザインを引き締めている。

G.F.J.は160本限定で、価格は695万2000円(税込)。ゼニスブティックおよび正規販売店限定で、現在予約注文を受け付けている。

我々の考え
ヴィンテージ愛好家であり、Cal.135のファンとしてはどうしてもこのムーブメントにばかり目がいってしまう。何十年も前のムーブメントを復活させることは決して容易なことではない。多くの場合、当時の製造用工具は失われ、キャリバーに精通した時計師たちもすでに現役ではない。ブランドはこうした状況のなかゼロから開発を始めなければならず、そのR&D(研究開発)コストは莫大なものとなる。そうした事情を理解したうえで、ゼニスが最も歴史的に重要なタイムオンリーキャリバーを正統な形で蘇らせたことに、心から敬意を表したい。

A Zenith GFJ
時計自体の仕上がりも素晴らしい。明らかにG.F.J.は、内部に搭載されたムーブメントに最大限の注目を集めるためにつくられたプレミアムな製品である。もしゼニスが、よりシンプルで手ごろな価格のステンレススティール製でこの“新しい”キャリバーを発表していたなら、ほかのWatches & Wondersモデルに埋もれてしまったかもしれない。そうした仮想的なバージョンのほうが、より幅広い時計愛好家にとって商業的には魅力的だった可能性はある。しかし、今回ゼニスが選んだアプローチには大きな意味があると感じる。

G.F.J.は、いわば“ハローモデル”である。最終的に購入することになる160人のコレクターは、間違いなく大いに満足するだろう。そして残るゼニス愛好家やゼニスに興味を持つ者たちは、次の機会を待つことになる。ブランドが60年以上の時を経てムーブメントを復活させるのは、160本を製作して終わるためではない。Cal.135を搭載した新たなモデルが今後登場する可能性は高い。もし、ゼニスの現代Cal.135の第1弾かつ最も強いインパクトを放つバージョンを手に入れたいなら、このモデルこそがまさにそれだ。G.F.J.は細部まで緻密につくり込まれており、ダイヤルも実に美しい。Watches & Wonders 2025における、最も注目すべきヴィンテージインスパイアの新作のひとつとなるに違いない。