カテゴリー: スーパーコピーブランド

ブライトリングからスーパーオーシャン ヘリテージ ’57 ハイランズ カプセルコレクションが登場した。

同社が1950年代に発売したダイバーズウォッチのトリビュートとしてリリースしたスーパーオーシャン ヘリテージ ’57のスタイルをベースとしたモデルで、本コレクションではスコットランド・ハイランド地方のトレッキングからヒントを得たアースカラーとシックなツイード素材のストラップが特徴となっている。

スーパーオーシャンはもともと、優れた防水性能と日常での使い勝手を兼ね備え、機能性や信頼性を求めるダイバーはもちろんのこと、サーファーやビーチサイドでも自分のスタイルを楽しみたいというカジュアルなユーザー層を狙ったダイバーズウォッチとして設計された時計だった。そのコンセプトは本コレクションでも大きくは変わらないものの、ハイランズ カプセルコレクションは海辺は海辺でも、スコットランド・ハイランド地方の岩礁海岸と霧に覆われた峰々をイメージソースとしている。

コレクションのなかでも、最もスコットランドをほうふつとさせるディテールが、スコットランド伝統の生地をイメージしたウールとシルクのブレンドによるツイード風のファブリックストラップだ。時計はすべてステンレススティールのメッシュブレスレットを付けた状態がベーシックだが、ツイード風のファブリックストラップは別添えのポーチに入れられ、簡単に付け換えられるようにバネ棒外しも付属する。陸と海をイメージしたブルー、グリーン、マスタード、ベージュの4つの鮮やかなダイヤルカラーが用意され、ブルーダイヤルにはダークブラウン、ベージュダイヤルにはブラウン、グリーンとマスタードのダイヤルにはグリーンカラーのストラップを組み合わせ、それぞれ繊細なパターンとツイードのテクスチャーがカラーダイヤルを引き立てる。なお、ほかの組み合わせも楽しみたいという方のために、別途ブルーのツイード風のファブリックストラップを追加で購入することも可能だという。

ケースはSS製、ベゼルは傷がつきにくく耐衝撃性に優れたセラミック製で18Kレッドゴールドで縁取られている。スーパーオーシャンのオリジナルにちなんで、逆回転防止式ではなく両方向回転ベゼルを採用。ドットには夜光塗料が塗布されている。ムーブメントには約42時間パワーリザーブ(全巻き上げ時)のブライトリング キャリバー10を搭載。ほかのブライトリングの腕時計と同様、もちろんCOSC(スイス公認クロノメーター検定協会)認定クロノメーター仕様である。ハイランズ カプセルコレクションはすでに販売を開始しており、価格はすべて86万3500円(税込)だ。

ファースト・インプレッション
現代におけるダイバーズウォッチは、ダイビングで使用するという本来の目的は薄れているものの、雨などを気にせずつけられる実用時計としての需要は非常に高い。とはいえ、やはりその出自ゆえにケース径や厚みのある時計が多く、つけたいとは思っていても自分の腕に合うモデルがなかなか見つからないという声はよく聞かれる。だが、このスーパーオーシャン ヘリテージ ’57 ハイランズ コレクションなら、そんな悩みをお持ちの人であっても満足できるのではないかと思っている。

これは2020年に同じくカプセルコレクションとしてリリースされたスーパーオーシャン ヘリテージ ’57から連なる時計だ。だがより厳密にいうと、2021年に発売されたパステル パラダイスコレクションが直接的なベースとなっており、そのケースサイズは38mm径と40mmを切る小振りサイズなのだ。径が小さいだけではなく、15mm前後が当たり前のダイバーズウォッチらしからぬ9.3mmという薄型設計で、ラグトゥラグは42mm。しかもラグは腕に沿うようなカーブした形状をしている。

ブランドの公式ビジュアルでは女性がつけているため、レディスモデルと思われるかもしれないが、決して女性向けとしてリリースされているわけではないので、サイズさえマッチすれば男性がつけてもまったく問題はない。ちょうど発売された2021年に公開した記事「個人的好みから選んだお気に入りのダイバーズウォッチ9選」のなかで筆者も38mm径のスーパ ーオーシャン ヘリテージ ’57を実際に着用しているので、そのつけ心地のよさは自信を持っておすすめできる。また、パステルカラーを特徴としたパステル パラダイスコレクションと比較すると色味もはっきりとしているので、よりジェンダーレスにつけられるのではないだろうか。

ブライトリングのジョージ・カーンCEOはこの特別なコレクションの発売に際して、プレスリリースのなかで次のようなコメントを寄せている。

「ブライトリングのカプセルコレクションには、そのすべてにそれぞれのストーリーがあります。スーパーオーシャン ヘリテージ ’57 ハイランズ コレクションでは、スコットランド高地を歩いているような特別な感覚を呼び起こしたいと思ったのです。ツイードジャケットとウールのセーターを着て出発する瞬間から、風が吹きすさぶ崖を歩く1日、無事に帰って愛犬を隣にパチパチとはじける火で暖を取るまで。ハイランズ コレクションは、あらゆるシーンに寄り添えるように設計されています」

ブライトリングのカプセルコレクションは、ダイバーズウォッチだからこうでなくてはならない、というような文脈では作られていない。ダイバーズウォッチだからといって、海でつけなくても、夏につけなくたっていいのだ。「プロフェッショナルのため計器=ブライトリング」を全面に押し出していた(今もそういったイメージが失われているわけではない)かつてのブライトリングからすると、非常に時計づくりの自由度が増しているようだ。先日、ブライトリングのオーナーグループであるパートナーズグループが、ユニバーサル・ジュネーブの買収を発表したが、もしかしたら今後、“マイクローター(ユニバーサル・ジュネーブではマイクロローターをこう呼ぶのだ)”を搭載したスーパーオーシャン ヘリテージ ’57が登場するなんてことも夢ではないかもしれない。

さて、現実に戻ってムーブメントに関してはどうしても言っておきたいことがあるので、付け加えておこう。本コレクションが搭載するムーブメントはCOSC認定のクロノメーター仕様とはいえ、約42時間パワーリザーブ(全巻き上げ時)しかない。いまや70時間前後、約3日巻きが主流になりつつあるなかではどうしても物足りなさを感じる。もしこの時計に3日巻きのムーブメントが搭載されていたら…。筆者が欲しい理想のダイバーズウォッチ候補となったかもしれない。

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基本情報
ブランド: ブライトリング(Breitling)
モデル名: スーパーオーシャン ヘリテージ ’57 ハイランズ カプセルコレクション(Superocean Heritage ’57 Highlands Capsule Collection)
型番: U10340161C1A1(ブルー)、U10340361L1A1(グリーン)、U10340281I1A1(マスタード)、U10340E31A1A1(ベージュ)

直径: 38mm(ラグトゥラグは42mm)
厚さ: 9.3mm
重さ: 110.5g(ブレスレットの場合)
ケース素材: 18Kレッドゴールドベゼル&ステンレススティール
文字盤色: ブルー、グリーン、マスタード、ベージュ
インデックス: くさび型のアプライド、3・6・9・12時位置はドット+くさび型のアプライド
夜光: 時・分・秒針にスーパールミノバ®夜光
防水性能: 10気圧(100m)
ストラップ/ブレスレット: オーシャンクラシックSS製ブレスレット、バタフライクラスプ式。ブルーには差し色がダークブラウン、ベージュには差し色がクラシックブラウン、そしてグリーンバージョンとマスタードバージョンには差し色がグリーンのファブリックストラップが付属。

ムーブメント情報
キャリバー: ブライトリング 10
機能: 時・分表示、センターセコンド
直径: 25.6mm
厚さ: 3.6mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/ 時
クロノメーター認定: COSC
追加情報: ボールベアリングによる両方向回転式

価格 & 発売時期
価格: 86万3500円(税込)

ブルガリが魅力的なサーモンとスティールの色合いで、

ブルガリのオクト フィニッシモは、ローマ建築から着想を得たデザインを取り入れた超薄型ケースに現代的な素材に見事に融合させて誕生したコレクションです。2014年の登場以来、3針からトゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーまで、さまざまな複雑機構を備えた極薄のムーブメントを展開し、数々の世界記録を打ち立てて、賞を受賞してきました。

当初はサンドブラスト仕上げが施されたケースにトーンオントーンのダイヤルが組み合わさったものでしたが、やがてスティールやゴールド、時にはタンタルといった素材がケースに取り入れられ、ダイヤルにも新たなカラーやデザインバリエーションが与えられるようになり、誕生から約10年で成熟したコレクションへと成長しました。

同コレクションのなかで最もシンプルなモデルが、2017年に発売された3針のオクト フィニッシモ オートマティックです。ケースの厚さはわずか5.15mmで、リリースされた当時の最薄自動巻き時計で、ブルガリが3つめの世界最薄記録を獲得したモデルとして話題を集めました。2020年にはスティール製ケースを備えたオクト フィニッシモ オートマティック Sを発表。同じ直径40mmですが、厚さが6.3mmとなり、100mの防水性能が確保されたことでより日常使いしやすいパッケージになりました。

ここで紹介するオクト フィニッシモ タスカンコッパーは、シンプルに言えばオクト フィニッシモ オートマティック Sのカラーバリエーションモデルです。実は2023年に北米限定50本で発表されたリファレンスと同じものですが、今回のリリースで通常ラインナップに加わることになりました。

オクト フィニッシモ タスカンコッパーの最も重要な要素であるダイヤルカラーは、時計業界ではいわゆるサーモンダイヤルと呼ばれるものですが、ややピンク色が強く、控えめながらも独特な雰囲気を備えています。デザインを手掛けたブルガリ ウォッチ デザイン センター シニア・ディレクターのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏は、同モデルについてこう話します。「このメタリックサーモンの色合いは、一般的に見られるコレクターが好むヴィンテージの美学から来たものではありません。イタリア美術のルーツである16世紀、正確にはマニエリスムと呼ばれる当時の改革的な運動からインスピレーションを得たものです」

マニエリスムは、16世紀中頃から末にかけて見られる後期イタリア・ルネサンスの美術様式を指します。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ボッティチェッリといったイタリアの盛期ルネサンスの巨匠たちが作り上げた完成された洋式に倣いつつも、わざと極端な比率に引き伸ばされた人体やS字曲線を描いたねじれたポーズ、不安定な構図、フラットな遠近法や空間表現が取り入れられた絵画が特徴です。

僕は本作のプレスリリースのなかでマニエリスムからの影響であると読んだときにフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂につながりがあるのではないかと考えました。なぜならマニエリスムを提唱したミケランジェロの弟子ジョルジョ・ヴァザーリが大聖堂内部のフレスコ画を描いていたからです。もちろんオクト フィニッシモの形状がローマのマクセンティウスのバシリカから着想を得たものであることは知っていましたが、フレスコ画が描かれた大聖堂の天井も八角形で、外から見た屋根の赤褐色もこのダイヤルに近いものがあるように感じました。

ファブリツィオ氏に伺ってみるとヴァザーリではなく異なる作品であると伝えられました。「いい推測ですね。でも私の直接的なインスピレーション源となったのはヤコポ・ダ・ポントルモの絵画『十字架降下』です。デザイン学校2年生のときに授業でマニエリスムについて学んだ際に習ったのがこの作品でした」。なるほど、確かに時計愛好家たちがサーモンダイヤルと呼ぶローズゴールド色よりもピンクが強い色合いなのも頷けます。

スイスのウォッチメイキングにおいてサーモンダイヤルは定番のカラーのひとつですが、タスカンコッパーのダイヤルはメタリックトーンでありながら、艶消しの質感があるユニークなもので、光を受けると深みのあるアニメーション効果が見られます。ロジウムメッキの針とインデックスとの組み合わせによって美しいコントラストが生まれ、視認性も良好です。クラシックなドレスウォッチやヴィンテージスタイルの時計に見られるカラーをブルガリらしいやり方でスティールのオクト フィニッシモ オートマティックのケースにマッチさせているのです。

オクト フィニッシモは、何度も身につけたことがありますが、ダイヤルカラーが異なるだけでも大きく印象を変える不思議な感覚があります。多面的かつ立体的なケース構造ながらその薄さによる控えめなデザインが異なるカラーや意匠をより大きな違いのように感じさせるのかもしれません。当初は北米限定としてリリースされたモデルでしたが、着けてみると日本人の肌なじみのよいカラーリングのように思いました。

個人的にブルガリのオクト フィニッシモは先述のとおり成熟したコレクションであり、完成されたものであると捉えています。だからこそ建築家の安藤忠雄 氏や現代美術家の宮島達男氏らとのコラボレーションや、先日発表されたばかりのオクト フィニッシモ スケッチ 限定モデルのような前衛的なデザインとの組み合わせでもまったく破綻しないのだと感じます。タスカンコッパーは、カラーバリエーションといえばそれまでかもしれませんが、ファブリツィオ氏が選択したマニエリスムから汲み取ると完成されたコレクションにより改革的なアプローチを与え続けようとする動きなのだと言えるのではないでしょうか。

ブルガリ オクト フィニッシモ タスカンコッパー Ref.103856。直径40mm×厚さ6.4mm、ステンレススティール製ケース、100m防水。サンレイ加工タスカンカッパーメタルダイヤル、ロジウムプレートの針とアワーマーカー。ムーブメントはCal.BVL138搭載。自動巻き、パワーリザーブ約60時間、2万1600振/時、時・分、スモールセコンド。211万2000円(税込)

伝説のアルビノロレックス GMTマスター Ref.6542 の情報です。

この仕事を始めてから7年以上が経った。主要なオークションやトレードショーに参加し、世界中のコレクターたちとも数多く会ってきたが、最近ではよほどのことがないと心が動かされなくなったといってよいだろう。たとえば今年のバーゼルワールドは、率直に言って自分が純粋に興奮した時計はひとつだけだった。SIHHではひとつもなかった。これはあくまで個人的なレベルで心からワクワクする時計に限ってという話であり、どちらのイベントにもすばらしい新作はたくさんあった。そんななか、今日は日本から来た友人のおかげでとびきり興奮する1本を紹介できる。このモデルはかつて眉をひそめられたものの、個人的にぜひ手に入れたいと思っていた時計だ。それはロレックス GMTマスターの初代Ref.6542ながら伝説のベークライトベゼルを備えたモデルで、そのなかでも特に希少なホワイトダイヤルの個体である。そう、アルビノGMTと呼ばれる神話的な時計との対面だ。

まず最初に言っておきたいのは、すべての偉大なヴィンテージロレックスにおいて、価値の本質は発見だけでなく真贋の確認にもあるということだ。自分では究極のヴィンテージロレックススポーツウォッチを発見したと思っても、世界の権威者たちがその時計を本物と認めない限り、それはただの時計に過ぎない。そうした厳しい現実を身をもって学んだ人々を何人か知っている。

2015年の現時点で、ほとんどの人がホワイトダイヤルのRef.6542 GMTが存在すると信じていると言っても過言ではない。結局のところ、アルビノエクスプローラーやアルビノデイトナが実在していたことは分かっている。エクスプローラーは売りに出されたとき18万ドル(当時の相場で約1760万円)を突破し、デイトナはオークション史上最も高額なロレックスとなった。ただ正直言って、どちらが欲しいかと問われたら私はRef.6610を選ぶ。

では“アルビノ6542”とは何か。それはただシンプルに、ホワイトダイヤルを備えた初期のGMTである。それだけ聞くとあまり大したことのようには思えないだろう。ロレックスのホワイトダイヤル? それがどうした、と思うかもしれない。実際、この話の続きがどうであろうと、1950年代のGMTにホワイトダイヤルが付いていても、まったく大したことではないと考える人もいるだろう。それはそれで構わない。ヴィンテージロレックスの細部にこだわる人もいれば、そうでない人もいるからだ。だが私を含めその魅力に引かれる者にとって、この時計はとても特別な存在だ。その理由のひとつは、長年にわたりこのホワイトダイヤルのGMTが本当に存在するのかどうかが不明だったことにある。ホワイトダイヤルを持つ6542が存在するという話はあったものの、オンラインコミュニティ上では信ぴょう性のある個体が1度も目にされていなかった。コレクターでありディーラーでもあるヴィンテージロレックス愛好家、ステファノ・マッツァリオール(Stefano Mazzariol)氏が2010年2月に自身のブログでこの時計について記事を発表するまでは。

ステファノ氏は自身の判断で疑いなくオリジナルだと確信できる時計に出合った。彼はダイヤルを取り外してプリントの細部を丁寧に検証し、オリジナルのブラックダイヤルモデルと比較した。その結果この時計が本物であるという結論に至った。そして彼は自身のブログに記事を投稿し、さらにヴィンテージロレックスフォーラムにその内容を公開した。その際彼の調査は、ヴィンテージロレックスコミュニティ特有の強い懐疑の目にさらされることになった。

それでも5年が経った今、ステファノ氏の投稿はホワイトダイヤルGMTに関する聖典となっている。そして今回紹介するこの時計は、彼の時計と見事に一致している。

この時計を初めて見たのは、長年日本で活動しているディーラー、イーストクラウン(East Crown)のInstagramだった。最初は私も疑っていたが、友人のルイ(Bring A Loupeを執筆している)がディーラーの息子であるKと話をしたところ、写真をもとにその時計が完璧に見えると言ったことで少し安心した。そして最終確認としてアンドリュー・シアー(Andrew Shear)氏にも話を聞いたところ、彼もこの時計は100%正しいと認めていた。

この時点で、私は完全に興味を引かれていたと言ってよいだろう。なにしろアルビノGMTは今やヴィンテージロレックスマニアたちのあいだで語られる伝説的な存在であり、私は1度も実物を見たことがなかったから。そこで、次にイーストクラウンのKがニューヨークに来た際、オフィスにその時計を持ってきてもらうよう頼んだ。彼は快く応じ、こうしてみなさんにこの写真を見せることができたというわけだ。この時計は本当に素晴らしかった。自分の大好きな時計、6542 GMTにちょっとしたひねりが加わるだけで、まったく新しい印象を与えている。とくにいつも見慣れている光沢のあるブラックダイヤルとは違い、どこかカジュアルな雰囲気を感じさせるのだ。

この6542のケースとベゼルについては、それぞれが独立したストーリーを語れるほど、どちらもこの年代の時計としては驚くほど良好な状態を保っている。正直なところ、この個体は最初からこのダイヤルを備えていたのか、それともあとからこの素晴らしいケースとベゼルに特別な文字盤が組み込まれたのかは定かではない。実際希少なダイヤルが状態のいいケースに交換されることがあるのは事実だが、それでもこの時計の魅力が損なわれることはない。そしてみなさんが気になっているであろう質問に答えると、裏蓋には“PAN-AM(パンナム)”のロゴは刻まれていない。

私はKに、彼の父親がこの時計をどうやって手に入れたのか、そしてそれが販売される可能性があるのかを尋ねた。話によると、この時計はニューヨークから持ち込まれ、彼の父親が著名なプライベート・コレクションに入れていたという。ただしこのコレクションの所有者が、この希少なアルビノGMTを手放すと決めた場合は、必ずそれを彼に売った人物に戻すという条件付きだった。そして何年もの時が経ち、そのコレクションの所有者は約束を守り、このアルビノGMTは現在、イーストクラウンの親子のプライベートコレクションに収められている。では、彼らはこれを売るのか? その答えは控えめなノーで、少なくともお金だけでは手放さないという暗示だった。これほど特別なものを手にしているなら、お金は簡単に手に入る。ヴィンテージロレックス愛好家である私やイーストクラウンのふたりにとって、このコンディションのアルビノGMTはこれ以上ないほど特別な存在なのだ。

ウェブ上で販売されている注目の時計を厳選して紹介する。

おそらくプライベートメッセージで直接取引が成立し、時計は現在の市場価格である6000~8000ドル(日本円で約95万〜126万円)の範疇で新たな持ち主の元へ渡ったのだろう。最後にもうひとつだけお知らせがある。ブシュロンのトラベルアラームクロックが、1月11日土曜日(米東部標準時)にTennants Auctioneersで競売にかけられる予定だ。

それでは、今週の注目時計を見ていこう。

ロレックス バブルバック Ref.3372 ピンクゴールド&スティールのツートンモデル 1944年製
A Rolex ref. 3372 Bubbleback
市場でロレックススーパーコピー時計n級品 代引き バブルバックがようやく活気を取り戻しつつあることを報告できるのは、喜ばしいことだ。このモデルは数十年前に非常に人気を博し、多くのコレクターに収集されたが、近年ではヴィンテージ時計市場のなかであまり注目されなくなっていた。その理由はいくつかある。ケースサイズの小ささ、良好な状態の個体を見つける難しさ、そして再塗装(リダン)された文字盤が多すぎることなどだ。そのため特に熱心なヴィンテージウォッチのコレクターでさえ、ここ10~20年はバブルバックを敬遠してきた。

しかし最近小振りなケースサイズが“クール”とされるトレンドがあり、さらにカルティエが人気を集めるなかで20世紀初頭の時計デザインへの関心が高まっていることで、市場におけるバブルバック需要を高めている。2024年11月のジュネーブでのオークションシーズン中、TikTokで人気のディーラーであるマイク・ヌーヴォー(Mike Nouveau)氏と会った際、彼が素晴らしいローズゴールド(RG)のバブルバックを見せてくれた(ちなみに、その時計は私のYear In Reviewのメイン画像にも登場している)。ヌーヴォー氏はその時計を午前中に別のディーラーから購入し、数時間後には別のオーナーに売却していた。つまり、彼がその時計を所有していたのはほんの数時間だったというわけだ。

A Rolex ref. 3372 Bubbleback
トレンドというのは、1本の時計がディーラーを介して瞬時に売れるだけでは生まれない。先日、Loupe Thisが別の素晴らしいバブルバックを出品していた。それは無垢のイエローゴールド(YG)製Ref.3372で、Giudici Milanoのダブルネームとツートンのサーモンダイヤルを特徴としていた。説明が長くなってしまったが、これは本当に素晴らしい1本だった。私自身も隠れたバブルバック支持者だが、落札価格が3万3000ドル(日本円で約520万円)になったことには驚かされた。この結果を見て、私のトレンド予測センサーが反応している。

今回、Loupe Thisが同じRef.3372をさらにピンクゴールド(PG)&ステンレススティール(SS)のツートンモデルで出品している。これは夜光を塗布したインデックスと24時間表示のインナートラックを備えた、よりスポーティな文字盤を持つモデルだ。同じオークションサイトで立て続けに2本のRef.3372が登場するのは珍しいことだが、ここで強調しておきたいのは、このようなオリジナルの文字盤を持つバブルバックを見つけるのは今やほぼ不可能に近いということだ。特に夜光文字盤の場合、ラジウムが経年劣化することで文字盤が損傷することが多く、その過程で所有者が“修復”するために再塗装してしまうケースが少なくない。しかし今回の出品物に関してはそのような手が加えられておらず、非常にいい状態で残っている。もし私の言葉を信じ、トレンドが本格的に到来する前にバブルバックを手に入れたいのであれば、これは絶好の機会だ。

A Rolex ref. 3372 Bubbleback
オークションを主催するLoupe Thisはロサンゼルスに拠点を置いている(現地の皆さんの安全を祈る)。この記事を書いている時点での現在の入札価格は1万501ドル(日本円で約166万円)だ。このロレックス バブルバックのオークションは、1月15日(水)正午(米東部標準時、日本では1月16日の午前2時)に終了予定である。詳細はこちらから確認してほしい。

ロレックス オイスター パーペチュアル Ref.6332 ブルーエナメルダイヤル 1954年製
A Rolex ref. 6332 Bubbleback with enamel dial
厳密に言えば、この時計もバブルバックに分類される。しかし誤解のないように言っておくが、これを“バブルバックだから”と紹介しているわけではない。今回のBring A Loupeにこの時計を取り上げた理由は、バブルバックであることは二次的な要素でしかないのだ。正直に言おう。私は火曜日の夜、マイアミでMomentum Dubaiのターリク・マリク(Tariq Malik)氏と夕食を共にした。6人のグループディナーで、勘定はきっちり均等に割った。ディナーの場所はToni’s Sushi Barだったが、料理の印象は“まあまあ”だった。一方で、ターリクがその夜につけていた時計のほうが、ずっと記憶に残っていた。もちろん、それがこのブルーエナメルダイヤルの1954年製オイスター パーペチュアルだった。

A Rolex ref. 6332 Bubbleback with enamel dial
エナメルダイヤルのロレックスは、常に私の心を掴んで離さない。しかし完全なクロワゾネエナメル(例えば先月、フィリップスニューヨークのオークションに出品されたRef.6100のようなもの)は、100万ドル(日本円で約1億6000万円)近い価格になるだろう。一方でこのRef.6332は、その価格の数十分の1でありながら私にとって心躍る感情を同じように呼び起こしてくれる。特に気に入っているのは、6時位置の“OFFICIALLY”という文字列に赤い文字が加えられていることだ。この文字盤全体のデザインはアメリカやフランス、イギリスなど、どこかの国旗の色あせたトリコロールを思わせる。販売者は文字盤の製造元について明記していないが、12・3・6・9の独特なフォントから判断して、おそらくこれはスターン・フレール社(Stern Frères)によるものだろう。この会社は、ロレックスのクロワゾネダイヤルをてがけたことで知られている。例えばRef.8171 パデローネの文字盤にも同じフォントが使われており、スターン・フレールがそれを製造したことは分かっている。

A Rolex ref. 6332 Bubbleback with enamel dial
確かに厳密な意味では、この34mm径ケースのオイスターはバブルバックに分類される。しかし初期のバブルバックに見られる象徴的なケースと滑らかに一体化したラグがないため、この1950年代の個体は一般的なスクリューバックのモデルに見間違えられたとしても不思議ではない。実際、私もその間違いを犯していた。火曜日にターリク氏の時計を見たとき、それがバブルバックだと気づかず、この記事を書くために販売情報を確認するまで気づかなかった。

販売者であるMomentum Dubaiはその名の通りドバイに拠点を置いているが、この時計は現在マイアミにあることを私は知っている。このロレックスの販売価格は3万8116ドル(日本円で約600万円)だ。詳細はこちらで確認して欲しい(編注:すでに売却済み)。

パテック フィリップ ホワイトゴールド製Ref.3445 ギュブランとのダブルネーム 1960年代製
A Patek ref. 3445G Calatrava with Gübelin retailer stamp
一見するとパテック フィリップのRef.3445は、“退屈なカラトラバ”のひとつかもしれない。しかし実物を見るか、あるいは所有する機会があれば、このモデルが日常使いのヴィンテージウォッチとして最高レベルの1本であることに気づくはずだ。オンラインでよく見る“ソルジャー”ショット(時計単体の直立写真)では、この時計のラグの鋭いエッジや、一見単調に見えるラグの微妙な曲線美、そしてカラトラバの文字盤が持つ洗練されたシンプルさを十分に感じ取ることはできないだろう。ただシンプルと言い切るのは少々語弊がある。このRef.3445は日付表示機能を備えており、カラトラバとしてはかなり複雑な機能を搭載しているのだ。さらに特筆すべきは、このモデルがパテック フィリップにおける最初の量産型自動巻き防水腕時計であり、日付表示機能を持つ初のシリーズ生産モデルであるという点だ。知れば知るほど、興味が湧いてくる時計である。

とりわけこの時計について話すと、ヴィンテージのパテック フィリップをeBayで購入するには覚悟が必要だ。しかしこの個体は写真を見る限り、状態は悪くないようだ。写真から判断する限り、この時計が“ファーストシリーズ”の盛り上がったロゴを持つハードエナメルダイヤルのモデルなのか、“セカンドシリーズ”のフラットな文字盤のモデルなのかははっきりしない。しかしホワイトゴールド(WG)ケースで、ギュブランのダブルネーム付きであることを考えると、この価格は非常に魅力的である。もちろんリスクもある。出品者のフィードバックスコアは8と高くはない。しかし、私はこの時計の価格は市場価格を下回っていると踏んでいる。

この時計はフランスのレ コンタミン モンジョワに拠点を置くeBay出品者によって、1万2061ドル強(日本円で約190万円)の即決価格で出品されている。詳細情報や写真はこちらから確認してほしい。

ギュブラン トリプルカレンダー 1940年代製
引き続き、ギュブランをテーマにした時計を紹介しよう。プライベートレーベルのトリプルカレンダーであり、非常にお買い得な1本だ。このコラムを長く読んでいる読者であれば、私がギュブランの名が入った時計に目がないことはすでにご存じだろう。私は、販売店名が刻印された時計を非常に興味深い存在だと感じている。だがこうした販売店のロゴが入ったプライベートレーベル時計は、ヴィンテージ市場において評価が難しい。なぜなら、どのブランドが製造したのかが不明なケースが多いためだ。その結果、ほかのヴィンテージ時計と価格を比較するのが難しく、適切な相場を見極めにくい。

このギュブランのトリプルカレンダーについても、どこが製造したのか特定するのは難しい。正直に言えば、私もこのトリプルカレンダーがどのメーカーによるものかはわからない。しかし、それでも販売価格に対して十分に価値があると評価できる要素はいくつもある。この時計は1940年代のスイス製であり、バルジュー製キャリバーを搭載している。この時代のバルジュー製ムーブメントを使用した複雑時計で5000ドル(約79万円)以下で手に入るものは、非常に少ない。私は個人的にバルジュー 90に特別な愛着がある。それはトリプルデイトカレンダーの時計に目がないということもあるが、このムーブメントが伝説的なバルジュー 72のファミリーに属しているためだ。基本設計はヴァルジュー 72に基づいているが、このキャリバーをじっくり見てみると、オーデマ ピゲが使用していた初期の13リーニュ ヴァルジュー“VZ”ムーブメントの面影も感じ取れる。

この時計の状態は非常に良好だ。オーバーサイズの38mm径ケースは未研磨と見られ、しっかりとした存在感がある。文字盤にはラジウム塗料が使用されており、経年変化による色褪せが見られる。しかし変色は均一であり、こうしたヴィンテージらしい風合いが好みの人には魅力的だろう。

このギュブランの時計は、イギリスのルイスに拠点を置くeBayの出品者が即決価格2475ポンド(日本円で約39万円)で販売している。詳細はこちらから確認してほしい。

モバード 1966年サンボウル記念モデル 1960年代製
私がヴィンテージのモバードを愛していることは、読者諸君のあいだでもよく知られているだろう。しかしカレッジフットボールに対する私の熱意については、あまりご存じでないかもしれない。実は先日もマイアミでの時計イベントの合間を縫って、オレンジボウルでノートルダム・ファイティングアイリッシュがペンシルバニア州立大学に勝利する試合を観戦し、ナショナルチャンピオンシップへの出場権を手にする瞬間を目の当たりにしてきた。

そんなこともあって、1月10日のコットンボウルでシーズンが正式に終了することを考えていたときに、1966年サンボウルの記念モデルとして作られたこのモバードが目に留まったのだ。この時計は基本的には一般的な防水ケースを備えたモバードの腕時計だが、文字盤の中央に大きく描かれたサンボウルのロゴが非常に印象的だ。もし先日のアンティークショーで購入する時計を見つけていなければ、私自身がこの時計を買っていただろう。だが私が購入しなかったことで、この時計を手に入れるチャンスが読者諸君に訪れたというわけだ。

このモバードはメリーランド州ヘルソープに拠点を置くeBayの出品者が、即決価格350ドル(日本円で約5万5000円)で出品している。詳細はこちらから確認してほしい(編注:すでに売却済み)。

トリー バーチ 2025年秋の新作ウィメンズバッグ「キラ ターンロック」が登場。

シャープなフォルムの新作秋バッグ
キラ ターンロック ショルダーバッグ トレンチ ブラック 92,400円
キラ ターンロック ショルダーバッグ トレンチ ブラック 92,400円
「キラ ターンロック」は、ブランドを象徴するダブルTモチーフのターンロックと、角度を付けたシャープなシルエットが特徴のバッグ。クラシカルで洗練された佇まいながら、カジュアルなスタイルにも合わせやすいデザインに仕上げた。今回は、実用性にも優れたショルダーバッグとトートバッグを展開する。

スーパーコピー 代引き大ぶりチェーンが魅力のショルダーバッグ
キラ ターンロック ショルダーバッグ 84,700円
キラ ターンロック ショルダーバッグ 84,700円
ショルダーバッグは、スタイリッシュで存在感のあるシルバーチェーンがポイント。チェーンはクロスボディとして使用できるほか、二重にして肩掛けスタイルでも楽しめる。また、バッグ内部には3つのコンパートメントを備えているため、スマートフォンや財布、サングラスなどの小物を整理して収納することができる。

キラ ターンロック ショルダーバッグ 84,700円
キラ ターンロック ショルダーバッグ 84,700円
カラーごとに異なる質感も魅力の1つ。光沢感のあるレザーを使用したブラック、ダークグリーン、アイボリーのほか、ファー素材でレオパード柄を表現したトレンチ ブラック、温かみのあるスエード素材で仕立てたダークココアを展開する。

収納力も備えるレザートートバッグ
キラ ターンロック スモール トートバッグ 79,200円
キラ ターンロック スモール トートバッグ 79,200円
一方の「スモール トートバッグ」は、縦長のラインがすっきりとした印象。サイドに備えたファスナーで容量を広げることができるため、荷物が増えてもしっかりと収納することができる。カラーは、ダークココアのスエードとブラックレザーの2色を展開する。

【詳細】
新作「キラ ターンロック」バッグ
発売日:2025年7月9日(水)
取扱店舗:全国のトリー バーチ店舗、公式オンラインストア
アイテム:
・キラ ターンロック ショルダーバッグ 84,700円、レオパードのみ92,400円
カラー/素材:ブラック/レザー、ウォームティール/レザー、プラリネ/レザー、トレンチ ブラック/ファー、ダークココア/スエード
サイズ:高さ 14.8cm、幅 28cm、マチ 8cm
・キラ ターンロック スモール トートバッグ 79,200円
カラー/素材:ブラック/レザー、ダークココア/スエード
サイズ:高さ 27.5cm、幅 22cm、マチ 9cm

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