腕時計は単なる時刻確認のツールを超えて、ファッションアイテムとしても大切な役割を果たします。しかし、数多くのブランドやモデルが存在する中で、どの腕時計を選べばよいか迷ってしまう人も多いでしょう。

この記事では、腕時計選びで重要となるポイントを詳しく解説します。使用シーンや価格帯、ケースサイズから素材選びまで、具体的な選び方のコツをお伝えするので、自分に最適な1本を見つける参考にしてください。

腕時計選びのポイント

腕時計を選ぶ際は、以下の7つのポイントを考慮することが大切です。

使用シーン
価格帯・ブランド
ケースサイズ・手首サイズ
重さ
ベルトの素材
ムーブメント
デザイン・機能
上記の7つの要素は相互に関連しており、1つだけを重視するのではなく、バランスよく検討することが満足度の高い腕時計選びにつながります。特に初めて腕時計を購入する場合は、どのような場面で着用するかを明確にしてから、他の要素を決めていくとスムーズに選択できるでしょう。

使用シーン
腕時計は、使用シーンによって適切なスタイルが大きく変わります。特に以下の4つのシーンに分けて考えるとよいでしょう。

ビジネス
フォーマル
カジュアル
スポーツ・アウトドア
ビジネス
ビジネスシーンでは、信頼感と品格を演出できる腕時計が求められます。ベルト素材は革やステンレスを選び、文字盤カラーは白、黒、ネイビーなどの落ち着いた色合いが適しています。ケースサイズは中程度から小さめを選ぶことで、スーツの袖口から上品に覗かせることができます。

フォーマル
フォーマルな場面では、よりエレガントさが重要になります。黒い革ベルトが推奨され、文字盤は白や黒といったシンプルなカラーを選びましょう。ケースは小さめで薄型のものが、ドレスコードにも適しています。

カジュアル
カジュアルシーンでは、自由度が高くなります。ナイロンやラバー、革など、さまざまな素材のベルトが選択でき、文字盤カラーやケースサイズも個人の好みに合わせて自由に選べます。

スポーツ・アウトドア
スポーツやアウトドアでは、機能性と耐久性が最優先です。ラバーや樹脂製のベルトは汗や水に強く、黒やカラフルな文字盤でも問題ありません。大きめのケースサイズでも機能性を重視した選択として適切です。

価格帯・ブランド

腕時計の価格帯は選択肢の幅を決める重要な要素です。予算に応じてアクセスできるブランドやモデルが変わってきます。

10万円前後
10万円前後の価格帯では、品質と手頃さのバランスが取れたブランドが豊富に揃っています。

ハミルトン
カシオ
シチズン
セイコー
グッチ
ガガミラノ
ティファニー
ハミルトンは1892年創業のアメリカ発祥ブランドで、クラシックなデザインと確かな品質で人気です。カシオやシチズン、セイコーは日本が誇る時計メーカーで、技術力の高さと信頼性で世界的に評価されています。

また、グッチやガガミラノ、ティファニーなどのファッションブランドからも、個性的なデザインの腕時計が展開されています。

10万〜30万円
約10万円から30万円の価格帯は、スタンダードから中堅クラスの腕時計が選択できます。

タグホイヤー
グランドセイコー
カルティエ
ブルガリ
シャネル
タグホイヤーはモータースポーツとの関連が深く、精密なクロノグラフで知られています。グランドセイコーは日本の最高級時計ブランドとして、極めて高い精度と美しい仕上げが特徴です。カルティエやブルガリ、シャネルなどの高級ブランドからも、エレガントで洗練されたモデルが展開されています。

30万〜80万円
約30万円から80万円の価格帯では、世界的に名高い高級時計ブランドが選択できます。

オメガ
IWC
ゼニス
フランクミュラー
ブライトリング
オメガは月面着陸で有名なスピードマスターやシーマスターで知られ、IWCはドイツ系スイスブランドとして高い技術力を誇ります。ゼニスやフランクミュラー、ブライトリングも、それぞれ独自の技術や美学で多くの愛好家に支持されています。

80万〜150万円
約80万円から150万円の価格帯は、真の高級時計の領域です。

ロレックス
パネライ
ブレゲ
ウブロ
ロジェ・デュブイ
ロレックスは圧倒的な知名度とステータス性を持ちます。パネライはイタリア海軍との歴史を持つユニークなデザインで人気です。ブレゲやウブロ、ロジェ・デュブイも、それぞれ独自の技術と芸術性で世界中で愛されています。

150万円以上
約150万円以上の価格帯は、世界最高峰の時計ブランドが揃います。

オーデマピゲ
ヴァシュロン・コンスタンタン
リシャール・ミル
オーデマピゲやヴァシュロン・コンスタンタン、リシャール・ミルは、時計製造の最高技術と芸術性を追求したブランドで、真の時計好きから愛され続けています。

ケースサイズ・手首サイズ
腕時計のケースサイズ選びは、見た目のバランスと装着感に大きく影響します。手首のサイズに対して適切なケースサイズを選ぶことが重要です。

メンズ
メンズ腕時計では、一般的に以下のようにサイズが分類されます。

35mm以下:小さめ
36〜40mm:普通
41mm以上:大きめ
日本人男性の手首周りは150〜200mmほどが一般的で、腕時計のケースが実際に乗る「上から見た手首幅」は50〜70mm程度です。この手首幅に対して、バランスよく見えるケースサイズは6〜7割程度とされています。

具体的には、手首幅が50mmの人なら35mmまでのケースサイズ、60mmの方なら42mmまでのケースサイズがちょうどよい大きさに見えます。これより小さすぎると貧弱な印象を与え、大きすぎると重厚感が強すぎて不自然な印象になってしまいます。

ビジネスシーンでは38〜40mm程度、カジュアルシーンでは40〜42mm程度が人気のサイズ帯となっています。ケースサイズを選ぶ際は、実際に試着して手首とのバランスを確認することをおすすめします。

レディース
レディース腕時計は、メンズ用と比較してより繊細でエレガントなサイズ感が求められます。

19mm以下:小さめ
20〜30mm:普通
31mm以上:大きめ
女性の手首周りは男性と比較すると細めで、130〜150mm程度が一般的です。上から見た手首幅も40〜50mmほどとなるため、腕時計のケースサイズは26mmから35mmくらいが最適とされています。実際に、各ブランドのレディース向けモデルもこの範囲のケースサイズが主流となっています。

ビジネスシーンでは24〜28mm程度の控えめなサイズ、パーティーなどのフォーマルシーンでは22〜26mm程度の小ぶりでエレガントなサイズ、カジュアルシーンでは28〜32mm程度のやや大きめのサイズが人気です。

また、ブレスレットタイプの腕時計を選ぶ際は、他のアクセサリーとのバランスも考慮すると、より洗練されたコーディネートが楽しめます。

関連記事:自分に合う腕時計のサイズは?大きさに影響を与える要素や手首の測り方

重さ

腕時計の重さは、装着感に直結する重要な要素です。軽すぎると存在感に欠け、重すぎると疲労感を感じてしまいます。

メンズ
メンズ用腕時計の重さは、使用する素材やケースサイズによって大きく変わります。一般的な重さの目安は以下です。

80g以下:軽い
81〜116g:やや軽い
117〜152g:普通
153〜188g:やや重い
189〜224g:重い
軽い腕時計(116g以下)は、長時間着用しても疲れにくく、日常使いに適しています。チタン製のケースやナイロンベルトの組み合わせなどで実現できます。一方で、軽すぎると高級感に欠ける場合もあるため、バランスが重要です。

普通の重さ(117〜152g程度)の腕時計は、多くの人にとって最も違和感なく着用できる範囲です。ステンレス製のケースに革ベルトやステンレスブレスレットを組み合わせた一般的な腕時計がこの重量帯に入ります。

重い腕時計(189g以上)は存在感があり、高級感を演出できますが、長時間の着用では疲労感を感じる場合があります。金やプラチナなどの貴金属を使用した高級時計や、大型のケースを持つスポーツウォッチがこの重量帯になることが多いです。

日常的に着用する場合は、実際に店頭で試着して重さに慣れるかどうか確認することをおすすめします。

レディース
レディース用腕時計は、メンズ用と比較して軽量に作られているのが一般的です。重さの目安は以下です。

30g以下:軽い
31〜48g:やや軽い
49〜66g:普通
67〜84g:やや重い
85〜102g:重い
軽い腕時計(30g以下)は、小ぶりなケースに革ベルトを組み合わせたものが多く、長時間着用しても疲れにくいのが特徴です。ビジネスシーンでの長時間着用や、アクセサリー感覚で楽しみたい人に適しています。

普通の重さ(49〜66g程度)の腕時計は、女性にとって最もバランスの取れた重量帯です。ステンレス製のケースとブレスレット、または中型のケースに革ベルトを組み合わせたモデルがこの範囲に入ります。適度な重量感があることで高級感も感じられ、多くのシーンで活用できます。

重い腕時計(85g以上)は、大きめのケースやゴールドなどの重い素材を使用したモデルに見られます。存在感のあるアクセサリーとして楽しめますが、日常使いには向かない場合もあります。

ベルトの素材
腕時計のベルト素材は、見た目の印象だけでなく、装着感や耐久性にも大きく影響します。それぞれの素材の特徴を理解して選ぶことが大切です。