レベルソの誕生を称える、ジャガー・ルクルトの 「メイド・オブ・メーカーズ™」プログラムによる新しいコラボレーションは、ウェブコミックデザイナー OLIVECOAT
クラシックアートの限界に挑戦
「メイド・オブ・メーカーズ™」プログラムは、ウォッチメイキングとアートの世界を結びつけ、 創造性、専門性、精度というジャガー・ルクルトの価値観を共有する時計製造以外の分野のアーティスト、デザイナー、職人とのコラボレーションを促進しています。このプログラムでは、クラシックアートを変化のないもの、あるいは過去に縛られたものとして捉えるのではなく、その絶え間ない 改革を強調し、今日の創造性を導き出す源泉として称えることに挑戦します。今日クラシックと呼ばれるものが発表当初は前衛的だと見なされていたのと同様、「メイド・オブ・メーカーズ™」プログラムでは、伝統的な形式や技法が、新しい素材やメディアによってどのように再構成されるかを探求し、過去と現在の対話に新たな視点を提供します。ジャガー・ルクルトの時計職人のように、アーティストたちは限界を押し広げ、新たな地平を開拓しながらも、創造性の基盤としての伝統を尊重し、時計製造とクラシックアートの両方がいかに人間の創造性を表現し、時代の文化を反映して、感情を引き起こすかを浮き彫りにしています。
今日までに、「メイド・オブ・メーカーズ™」コミュニティには、アーティストのザイムーン(スイス)、マイケル・マーフィー(米国)、ギヨーム・マルマン(フランス)、レタリングアーティストのアレックス・トロシュート(スペイン/米国)、パティシエのニーナ・メタイエ(フランス)、ミクソロジスト(バーテンダー)のマティアス・ジルー(フランス)、デジタルメディアアーティストのイーユン・カン(韓国)、ミュージシャンのTØKIO M¥ERS(英国)、マルチメディアアーティストのブレンディ・ワイディンガー(米国)、シェフのヒマンシュ・サイニ(インド)、ストリートライトペインターのロイ・ワン(中国)、調香師のニコラ・ボンヌヴィル(フランス)、デザイナーのハリド・シャファール(UAE)、シェフ・ショコラティエのマチュー・ダヴォワンヌ(フランス/スイス)、アニメーション映画監督のジャッキー・ワン(中国)が登場し、現代ビジュアルアート、ガストロノミー、音楽、香水の世界を展開してきました。今回、Olivecoat(フィリピン)との新たなコラボレーションにより、「メイド・オブ・メーカーズ™」のポートフォリオにウェブデザイン作品が加わりました。
[「メイド・オブ・メーカーズ™」]
「メイド・オブ・メーカーズ™」プログラムは、ウォッチメイキング以外のさまざまな分野のアーティスト、デザイナー、職人たちのコミュニティを一つにまとめます。ウォッチメイキングとアートの間に存在する対話を拡大するこのプログラムは、創造性、専門性、精度といったジャガー・ルクルトを常に定義してきた基本原則を土台としています。このプログラムは、ジャガー・ルクルトの価値を共有し、さまざまに異なる、時には予期せぬ素材や媒体を通じて、表現の新しい形を探求する作品作りをしているワールドクラスのクリエイターたちにフォーカスしています。毎年、ジャガー・ルクルトが世界各地で開催する展覧会に、プログラムを通じて制作された新作が登場し、選ばれたテーマを発展させ、観客がアートや技巧、デザインに関する幅広い話題に加わる新しい機会を作り出します。
現代の視線で描く第9の芸術
コミックストリップは、20世紀半ばにフランス語圏で生まれたバンド・デシネに起源を持つ現代のポップカルチャー現象として広く見なされている一方、連続した絵で物語を語る芸術であるアメリカのスーパーヒーローや日本の漫画は、先史時代の洞窟壁画、ローマ時代の記念碑のレリーフ、中世の挿絵付き写本にまで遡ることができます。
現代漫画の父として認識されているスイスの教師であり、作家、風刺画家であるロドルフ・テプフェールは、19世紀半ばに、吹き出しやオノマトペを初めて用いた枠付きの連続スケッチを発表しました。1964年、フランスの批評家クロード・ベイリーは、「第9の芸術」(neuvième art)という用語を提唱し、漫画を美術の正統な範疇に位置づけました。この文化的認知は、2009年にルーブル美術館が「第9の芸術」をテーマに展覧会を開催したことで改めて確認されました。今日、ウェブコミック(主要なプラットフォームの名前にちなんでウェブトゥーンとも呼ばれる)は、モバイルデバイスに最適化された縦スクロールの連載コミックによって、デジタル画面を通してこのアートを再解釈しています。
ウェブコミックデザイナー
フィリピンのセブ島を拠点に活動するウェブコミックデザイナー、Olivecoatは、手描き、象徴主義、ストーリーテリングといった古典的なコミックのコードと、現代的なデジタルコラージュや実験的なビジュアルを融合させています。ウェブコミック界の才能ある新進気鋭のアーティストであるOlivecoatの作品は、想像力豊かな物語、優しいキャラクターとのやりとり、自意識過剰なユーモアを、独特のパステルカラーと丁寧に作り込まれたコマと組み合わせた表現が特徴的です。
Olivecoatにとって、ストーリーテリングは工芸を超越したものであり、人とつながり、内省し、微細な人間の真実を明らかにする手段です。彼女の作品は、登場人物がまるで実在の人物のように感じられる物語にインスパイアされ、本物のキャラクターダイナミクスに深く根ざしています。「キャラクターダイナミクスが、ページ上のキャラクターというより、まるで現実の人間のように肉付けされているように感じられる番組を観るのが好きで、それが私を突き動かしているのだと思います」と彼女は説明します。「私は常に自分の物語を通して、どのように読者とつながり、彼らが理解されていると感じているかについて、フィードバックを読んでいます。コメントには、『これが普遍的な経験だとは思わなかったが、深く心に響いた』などがあり、それがクリエイターとしてのモチベーションを高めてくれます。」
永遠のアイコンを新たなレンズで語る
ジャガー・ルクルトがOlivecoatに依頼したレベルソのウェブコミックは、ブランドを象徴するタイムピースの一つに新たな視点をもたらすことを目的に、伝統、革新、芸術的な融合を一つにします。現代的なビジュアルストーリーテリングのレンズを通して、このデジタルプロジェクトはレベルソが生まれた本質を捉えつつ、文化やプラットフォームを超えた新たな読者層を魅了します。
アーカイブにインスパイアされたフィクション:レベルソの豊かな歴史的遺産から着想を得たウェブコミックは、その誕生の物語をドラマチックに描き、アーカイブに基づく事実を魅力的なフィクションへと変化させ、より幅広い読者を高級時計製造の世界へと誘います。
東洋的に解釈した西洋の物語:漫画のような東洋の視覚的伝統に影響を受けたグラフィックスタイルによって、レベルソの物語は新鮮な視覚言語を通して再解釈されています。東洋と西洋が出会うというこのアプローチは、2つの文化、2つの美学、そして2つの物語のテンポの間にダイナミックな 対話を生み出します。
時計製造のウェブコミック:このプロジェクトは、モバイルプラットフォーム向けに制作された縦スクロールの連載コミックとして、時計製造のクラフツマンシップをデジタルネイティブのストーリーテリングの領域に持ち込み、第9の芸術の古典的なコードを現代的なフォーマットで蘇らせます。
物語、映像文化、デジタルメディアの革新的な融合を通して、レベルソのウェブコミックは、時計製造のアイコンの遺産を称えるとともに、スクロールするたびに新しい世代の読者に語りかけます。
偉大な物語のメイキング
Olivecoatがジャガー・ルクルトのために制作したレベルソのウェブコミックは、時間、場所、行動という古典的な統一性をエレガントに響かせながら、説得力のあるストーリーテリングの真髄を体現しています。
時代の中のひとコマ:活気あふれる狂騒の20年代と、レベルソ・ウォッチが誕生した記念すべき1931年を背景に、歴史の転換点を捉えています。
場所の感覚:物語は、読者をシームレスに2つの象徴的な場所へと誘います。1つは、時計の革新的なリバーシブルケースの着想源となったインドのポロ競技場、そして2つ目は、クラフツマンシップと精密さによってビジョンに命が吹き込まれるル・サンティエの名高い工房です。
キャラクターの定義:このウェブコミックは、先見の明を持つ起業家セザール・ド・トレーと熟練した時計職人ジャック=ダヴィド・ルクルトという魅力的なキャラクターを中心に、創造性、コラボレーション、不朽の遺産といった時代を超えた物語を描いています。
このアイコン、物語、伝統の融合は、コミックの芸術にもレベルソの精神にも敬意を表するストー リーテリング体験を生み出します。
Olivecoatのウェブコミック『REVERSO』は、2025年10月17日にオンラインで一般公開予定。印刷形式でも製作され、ジャガー・ルクルトから特定のお客様やコレクターへ贈呈されます。
「ウェブコミックデザイナーのOlivecoatとコラボレーションができて光栄です」と、ジャガー・ ルクルトCEOのジェローム・ランベールは述べています。「彼女は生来の才能と独学で培った技を駆使し、古典的な技法を現代的な視点で再解釈するため、『メイド・オブ・メーカーズ™』プログラムにぴったりです。時代を超越した美学と洗練されたストーリーテリングに対する彼女のコミットメントは、ジャガー・ルクルトの価値観と深く共鳴し、彼女はこのプログラムの自然な創造的代弁者となり、クラフツマンシップと革新性を称えるのにふさわしい存在となっています。」
[OLIVECOAT]
フィリピンのセブ島で生まれ、現在も同じ地で活動しているOlivecoatは、ウェブコミック(ウェブトゥーンとも呼ばれる)の世界の新星として認識されています。独学で学んだ彼女の繊細でありながら表現力豊かなアートスタイルは、強い物語の感覚と融合し、世界中で熱狂的なファンを獲得しています。彼女は13歳のとき、感情の探求として、また想像の中に安全な空間を作り出す方法として絵を描き始めました。妹と一緒に、その後4年間かけて初の公開ウェブトゥーン『Honbarian』となる作品の草稿を作り上げました。しかし、彼女はまず、 プロとして回り道をします。インテリアデザインを専攻して卒業し、10年間デザイン事務所を経営して成功しましたが、これは、空間感覚と視覚的構成力を磨く経験となりました。新型コロナウイルスによるロックダウンによって、世界中で活動がストップした時、彼女は初心に戻り、古いiPadを手に取り再び絵を描き始めました。それはただ、10代の頃の物語を完結させるためのものでした。しかし、2021年、Webtoon Canvasで『Honbarian』の第1話をOlivecoat名義で発表すると、急速にフォロワーを増やし、継続的に創作活動を行うことになります。2022年にはスピンオフ・コミック『Orchard House』を発表し、その後グラフィックノベルも完成しました。