カテゴリー: スーパーコピー時計

セイコー プロスペックスからタイ限定モデルのご紹介。

モンスターと呼ばれるコスパの良いダイバーズウォッチが3本リリース予定されていたので2日に分けてご紹介。

2日目の今日はストーム&サンシャイン、ポケモンの新シリーズみたいなニックネームですが、2本の対になるモンスターです。

昨日ご紹介したSRPL41K1 “プラジャムヤム”同様に、200m防水、ケース径42.4mm、キャリバー4R36と言うスペック。

ウブロスーパーコピーn級品 代引き各1500本ずつのタイ限定モデルで、真っ黒いボディのストームSRPK51は 26,800バーツ(約114,500円)、水色文字盤が目を引くサンシャイン SRPK53は 24,800 バーツ(約105,800円)となっております。

ストーム タイ限定版 SRPK51K & サンシャイン タイランド限定版 SRPK53K
1500個限定生産。

セイコータイランドは、タイ市場向けに2つの新しい限定版モンスターを発表しました。ブラックのケースと文字盤、ブルーのベゼルマーキングが特徴のSRPK51「ストーム」と、ゴールドの時針、ブルーの分針、グリーンの秒針、オレンジのチャプターリング、そしてブルーとパープルのベゼルマーキングが特徴のSRPK53「サンシャイン」です。両モデルともステンレススチールケースで、サイズは42.4 x 13.4 x 49.4mm、ムーブメントは自動巻きキャリバー4R36を搭載しています。両モデルとも1500本の限定生産です。

天気をモチーフにした面白いモデルです。

文字盤や配色にこだわりのある限定モデルです。

ハードル高めのタイ限定モデルですが、気になった方は是非。

SRPK51K Storm

SEIKO PROSPEX「Storm and Sunshine」タイ限定モデル SRPK51K(1,500本限定)

฿26,800(タイバーツ)

デザインと特徴

このモデルは、セイコーの人気ダイバーズウォッチ「モンスター」シリーズをベースに、嵐の空からインスピレーションを得たデザインが特徴です。ブラックIPコーティングが施されたステンレススチール製のケースとブレスレットが、嵐の暗闇を表現しています。ダイヤルは特殊な技術で、形成される雲のような質感を再現し、力強く荒々しい嵐の雰囲気を演出しています。

ベゼルには、12時から4時位置までのミニッツスケールにブルーを採用し、ブラックのケースとストラップとのコントラストを際立たせています。3時位置には日付と曜日を表示するサブウィンドウが配置され、時分秒針およびインデックスにはルミブライトが施され、暗所での視認性を確保しています。さらに、ローズゴールドカラーのリューズとケースバックが、エレガントなアクセントとなっています。

仕様

ムーブメント:自動巻き(手巻き機能付き)
キャリバー:4R36
精度:日差 +45秒 ~ -35秒
パワーリザーブ:約41時間
ケース素材:ステンレススチール(ブラックIPコーティング)
ケースサイズ:直径42.4mm、厚さ13.4mm
風防:ハードレックスクリスタル
防水性能:200メートル(ダイバーズ仕様)
バンド:ステンレススチール(ブラックIPコーティング)
その他:ねじ込み式リューズ、ねじ込み式ケースバック(ローズゴールドカラー)

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SRPK53K Sunshine

SEIKO PROSPEX「Storm and Sunshine」タイ限定モデル SRPK53K(1,500本限定)
価格:฿24,800(タイバーツ)

デザインと特徴
このモデルは、セイコーの人気ダイバーズウォッチ「モンスター」シリーズをベースに、嵐の後の晴れ渡る空からインスピレーションを得たデザインが特徴です。​スカイブルーのダイヤルは、柔らかな雲が浮かぶ晴天を思わせるテクスチャーで、まるで油絵のような芸術的な仕上がりとなっています。​

ベゼルには、ブルーからパープルへのグラデーションが施され、内側のチャプターリングはレッドからオレンジへのグラデーションで彩られています。​時針はゴールド、分針はディープブルー、秒針はグリーンと、異なる色使いが特徴的です。​これらのカラーリングは、雨上がりの空に現れる虹のような美しさを表現しています。​

3時位置には日付と曜日を表示するサブウィンドウが配置され、時分秒針およびインデックスにはルミブライトが施され、暗所での視認性を確保しています。​さらに、イエローゴールドカラーのリューズとケースバックが、エレガントなアクセントとなっています。

仕様
ムーブメント:​自動巻き(手巻き機能付き)
キャリバー:4R36
精度:​日差 +45秒 ~ -35秒
パワーリザーブ:​約41時間
ケース素材:​ステンレススチール
ケースサイズ:​直径42.4mm、厚さ13.4mm、ラグ間49.4mm
風防:​ハードレックスクリスタル
防水性能:​200メートル(ダイバーズ仕様)
バンド:​ステンレススチール
その他:​ねじ込み式リューズ、ねじ込み式ケースバック(イエローゴールドカラー)

まとめ

いかがでしょうか。

「【タイ限定】セイコー プロスペックス ストーム&サンシャイン SRPK51K SRPK53K」でした。

どちらも格好良いです。

タイの方には10万円はちょっと高い気もしますけれど、買うのは現地の方々なのだろうか・・・。

先日 国内でもモンスターをBEAMSとのコラボレーションモデルとして300本と少なめですがリリースしていました。

現在のスペックからするとやや見劣りするため、レギュラーモデルとしてはもう国内ではお目にかかれないかも知れないキャリバー4R36搭載機モンスター。

アジアマーケットではまだまだ元気に様々なモデルがリリースされていますね。

特にタイ限定モデルは面白いカラーが多いのでマニアにも大人気。

今後も気になるモデルがリリースされましたら、こちらでお知らせしてまいります。

それではまた!

新作時計の中から、時計のプロがベスト5を選ぶ企画。

今回はジュエリー/ウォッチジャーナリストの本間恵子が選んだ5本を紹介する。一部のセレブによって首や足首に着用されるなど、ハイジュエリーウォッチの在り方が変わりつつある2024年を象徴するような、一見時計とは分からないようなモデルが多く選出された。なお、5本の時計に順位はない。

エルメス「エルメス カット」
新しいレディースウォッチを作るにあたって「エルメス H08」という非常に良くできたメンズウォッチを小さくするのではなく、「エルメス カット」を作り上げてしまうところにメゾンの矜持とこだわりを感じる。欲しい時計として推す。

エルメス「エルメス カット」
自動巻き(Cal.エルメス・マニュファクチュールH1912)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径36mm)。10気圧防水。102万4100円(税込み)。(問)エルメスジャポン Tel.03-3569-3300

カルティエスーパーコピー代引き 優良サイト「ポリモルフ」
ビス、クギに続いてカラビナが豪華にデザインされた。ペンダントとして使うのもいいが、ルビーを配したリング状のパーツを動かせばカラビナを開閉できるので、デニムのベルトループに通して着けたりするとひたすらかっこいい。

カルティエ「ポリモルフ」
クォーツ。コレクターズピース。(問)カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-301-757

シャネル「プルミエール サウンド」
時計が時計の形をしていなくてもいいじゃないかという試みは、これまで多々なされてきたが、これには本当に驚いた。もはや時計が付いている意味がない。そのことによって、時計のデザインとは何かを考えさせられてしまった。

シャネル プルミエール サウンド
シャネル「プルミエール サウンド」
クォーツ。SSケース(縦26.1×横20mm、厚さ7.65mm)。30m防水。253万円(税込み)。(問)シャネル(カスタマーケア) Tel.0120-525-51

ショパール「ラグーナ ハイジュエリー シークレットウォッチ」
実は現物をまだ見ていないのだが、これは間違いなくスゴいやつ。まるで人魚のブレスレットだ。ショパールはハイジュエリーに陽極酸化したチタンをよく使うのだが、この時計でもカラフルなチタンがものをいっている。

ショパール ラグーナ ハイジュエリー シークレットウォッチ
ショパール「ラグーナ ハイジュエリー シークレットウォッチ」Ref.105374-9001
クォーツ。18KRG✕18KWG(直径16mm、厚さ9mm)。ユニークピース。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922

ヴァシュロン・コンスタンタン「エジェリー・ムーンフェイズ」
なぜかレディースウォッチには妙に生々しい色や子どもじみたパステルカラーが多くなりがちなのだが、この「モーヴ色」を見て久々に溜飲が下がった。少しくすんだような、それでいて濁っていない、きれいめニュアンスカラーを待ち望んでいた。

エジェリー・ムーンフェイズ
ヴァシュロン・コンスタンタン「エジェリー・ムーンフェイズ」
自動巻き(Cal.1088/1L)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPGケース(直径37mm、厚さ10.08mm)。642万4000円(税込み)。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755

総評
今年はテイラー・スウィフトが腕時計をチョーカーネックレスに仕立て直したり、リアーナが足首にブレスレットウォッチを巻いたりして、ファッションシーンでは時計が手首の定位置から飛び出した。高級時計というアイテムが記号化し、宝石と同等になったのだと思う。つまり、従来なら稀少な大粒の宝石が入るべき位置に、記号としての宝石である時計があしらわれるようになってきた。

カルティエのカラビナ形ウォッチ、シャネルのネックレス一体型ウォッチも、そう考えるとつじつまが合う。今年はソートワール(ロングペンダント)形ウォッチも、いくつかのマニュファクチュールで散見された。時計が腕時計のテイを成していないデザインは、これまでにも「こんなの作っちゃいました」系のギミックとしていろいろ作られてきたが、良質なジュエリーとして仕立てれば、単なるギミックではなくハイファッションの一部として受け入れられるのだ。

来年は、1925年にパリで開催された通称「アール・デコ博覧会」からちょうど100年。アール・デコの潮流は時計にもジュエリーにも多大な影響を与え、一時代を作り上げた。この頃のジュエリーウォッチのデザインは今見てもモダンで、心が浮き立つような華やかさがある。ということで、来年はこの黄金期を振り返ったアール・デコ風ジュエリーウォッチがいくつか出てきて時計界を賑わせると思うのだが、はたしてどうなるか。

1960年代のデザインを現代にアップデートさせた「プレザージュ スタイル60’s」に、パステルトーンの新色が登場した。

ミッドセンチュリー(昭和)の空気を思わせるパステルトーンと、実用性を兼ね備えたレトロな意匠が、ヴィンテージファンはもちろん、デイリーユースの腕時計を探す新たな層にも訴求する1本だ。

セイコー「プレザージュ スタイル60’s」Ref.SARY265
自動巻き(Cal. 4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ12.0mm)。5気圧防水。7万3700円(税込み)。2025年5月23日発売

「クラウン クロノグラフ」調デザインモデルにパステルカラーが追加
セイコーは、1960年代の雰囲気を醸し出す「プレザージュ スタイル60’s」に3つの新作モデルを追加し、コレクションを拡充する。プレザージュ スタイル60’sは、1960年代という象徴的な時代にインスピレーションを得つつも、時代を超えたデザイン、柔らかな色調、メタリックなアクセントを融合させることで、現代的な表情を見せている。

時計界で大きな躍進が見られた1960年代
1960年代は、社会的・文化的・技術的に変革の時代であった。時計業界においても、それは革新と大ぶりなデザインが花開いた時期であり、特に機械式時計やクロノグラフが隆盛を極めた。

ロレックス時計コピー 代引き、オメガ、ホイヤーといった名だたるブランドは、アイコンとなるモデルが次々と生まれ、その地位を確立していった。1957年に誕生したオメガ「スピードマスター」は1969年の月面着陸で着用されたことでその地位を確かなものにした。加えて、自動巻きクロノグラフの初開発競争などが代表例として挙げられるだろう。ちなみに、この競争においてセイコーも重要な役割を果たしている。

日本初のクロノグラフウォッチ「クラウン クロノグラフ」
セイコーは、この時代に画期的な技術と、手頃な価格の腕時計で革新をもたらした。1964年、同社は東京オリンピックに合わせて、日本初のクロノグラフ機能付き腕時計「クラウン クロノグラフ」を発表。同大会の公式タイムキーパーも務めた。

クラウン クロノグラフは、当時の一般的な他社製クロノグラフとは一線を画すデザインで、サブダイアルを採用せずに、中央に配されたクロノグラフ秒針と両方向回転ベゼルを用いて経過時間を測定する。スモールセコンドが搭載されていないため、クロノグラフであるにもかかわらず、3針時計としての端正なスタイルを維持していたモデルだ。

「クラウン クロノグラフ」にオマージュを捧げた「プレザージュ スタイル60’s」に新色登場
今回発表された「プレザージュ スタイル60’s」の新作は、この名作の意匠を現代に再解釈したものだ。緩やかにカーブしたベゼル、面取り加工されたインデックス、剣型の大胆な形状の針など、クラウン クロノグラフに対するオマージュが随所に見られる。加えて、6時位置には日付表示が配置され、ダイアルに対称性をもたらしているのだ。なお、このモデルはクロノグラフモデルではなく3針モデルである。

SARY267
セイコー「プレザージュ スタイル60’s」Ref.SARY267
自動巻き(Cal. 4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ12.0mm)。5気圧防水。7万3700円(税込み)。2025年5月23日発売
ダイアルはドーム型のハードレックスガラスで覆われ、色調は1960年代のファッションやインテリアに見られた柔らかなパステルカラーを想起させる。アイスグリーンのRef.SARY265、シルバーバイオレットのRef.SARY267、ゴールデンイエローのRef.SARY269の3色展開で、レトロな雰囲気に洗練された現代的ニュアンスを添えたものだ。

3モデルともケースはステンレススティール製で、直径39.5mm、高さ12mm。5気圧防水性能を備え、裏蓋はトランスパレント仕様。ムーブメントは自社製自動巻きムーブメントCal.4R35で、約41時間のパワーリザーブと秒針停止機能を有する。

SARY269
セイコー「プレザージュ スタイル60’s」Ref.SARY269
自動巻き(Cal. 4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ12.0mm)。5気圧防水。7万3700円(税込み)。2025年5月23日発売
Ref.SARY265とRef.SARY267にはステンレススティール製ブレスレットが装着されており、Ref.SARY269にはレザー製ストラップが付属する。

パルミジャーニ・フルリエの新しいトリック クロノグラフ ラトラパンテの所感

最近、私は新しくデザインされたパルミジャーニ・フルリエのトリック プティ・セコンドを見てきた。この時計はブランドのオリジナルコレクションに属するタイムオンリーウォッチであり、今年のWatches&Wondersで再解釈されて復刻した。しかし、展示会で発表されたのはこのスモールセコンドバージョンだけではない。ブランドはラインナップをさらに充実させるために、新しいスプリットセコンドクロノグラフも発表した。

初期のトリックコンプリモデルは市場ではまだ過小評価されているが、中期のクロノグラフは2次流通市場で高い価格を維持しているのは事実である。トニー・トライナが、チャールズ国王の“コレクターズチョイス”としてゼニスのエル・プリメロムーブメントを搭載したトリック クロノグラフについて書いたときから、私はこれらの時計に注目し始めた。シャネル時計スーパーコピー 代引きつまりトリックをクロノグラフとして捉えるなら、“メモリータイム”(リッチ・フォードンの記事はこちら)と比較しても、この時計はぴったりなのだ。しかもこの時計はブランド外のムーブメントではなく、マニュファクチュールムーブメントを搭載しているのでさらに優れている。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
新しいトリック クロノグラフ ラトラパンテ ローズゴールドは、同ブランドのトンダ PF スプリットセコンドクロノグラフや以前のトンダ クロノール アニヴェルセールにも使用されているCal.PF361ムーブメントを搭載。このムーブメントは18Kローズゴールド製で、高振動数(3万6000振動/時)で動作し、スプリットセコンド用のダブルコラムホイールを備えている。ムーブメントのサイズは比較的スリムな30.6mm径×7.35mm厚で、約65時間のパワーリザーブを持ち、サテン仕上げのオープンワークと手作業で面取りされたブリッジが特徴だ。時計は3時位置に30分積算計、9時位置に12時間計、6時位置にスモールセコンドを配置している。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
以前ローガン・ベイカーは、“これは世界で最も過小評価されているスプリットセコンドムーブメントではないか”と尋ねたことがある。スプリットセコンドクロノグラフ自体非常に珍しいため、その評価は難しいところだ。資金不足のブランドにとって、トゥールビヨン、永久カレンダー、さらにはミニッツリピータームーブメントを購入することはスプリットセコンドクロノグラフよりもはるかに安価である。IWCはRef.3711 ドッペルから最新バージョンに至るまで、バルジュー7750を改良してスプリットセコンドクロノグラフに変えていた。ハブリング²も比較的手頃な価格のラトラパンテを実現している。しかしそれ以外での選択肢は少なく、どちらのクロノグラフムーブメントもパルミジャーニほど優雅にデザインされておらず、スケルトン化もされていない。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
トリックとトンダを区別するのは、そのデザイン哲学と系譜である。ブランドが今年トリックを復刻したと述べたが、“復刻”という言葉はパルミジャーニが行ったことを正確に表していない。過去の記事でも触れたように、パルミジャーニはトリックのデザインで過去を振り返るのではなく、ドーリア式円柱にインスパイアされたフルーテッドベゼルや“トーラス”ジオメトリーのような、いくつかの重要なデザイン要素だけを残している。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
ダイヤルはプティ・セコンドと同様に、手作業でグレイン加工された18Kゴールド製で、“ナチュラルアンバー”仕上げのバラ色がかったブラウンの色合いが特徴だ。またダイヤルはフラットではなくシェヴェ加工され、エッジに向かって傾斜し、ケースと風防の自然な形状にマッチしている。サブダイヤルも滑らかに面取りされ、18KRGのアプライドインデックスが手作業で植字されている。時・分・クロノグラフ秒針は18KRG製で、スプリットクロノグラフ秒針はロジウムメッキされており、カウンターにはスティールが使用されている。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
この時計のデザインには鋭いエッジが一切ない。私は一般的に、大胆なファセットを持つケースを好むが、ケースのデザインを滑らかにするのは難しい。それはしばしば、文字どおり過度に磨かれたようなデザインになりがちになるのだ。ただ新しいトリックは、20年前の時計のように、元の所有者が傷やへこみを取り除こうと過度に磨いたようには見えない。ただスリムでクリーンな印象を与える。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
18KRGのケースは、42.5mm径×14.4mm厚のサイズだ。スプリットセコンドクロノグラフは通常厚みがあり、このモデルも例外ではない。しかしやや短くなったラグにより、より多様な手首にフィットしやすく、またストラップがより鋭く下に落ちるようになっている。トリック プティ・セコンドと同様に、ラトラパンテもサンドゴールドカラーのハンドステッチが施されたヌバックアリゲーターレザーストラップを採用。“プント・ア・マーノ”ステッチというイタリアの裁縫技術のセンスが光る。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
新しいトリック ラトラパンテは、予想どおり限定生産モデルである。このレベルのラトラパンテウォッチを作成する技術的な挑戦は非常に高いものだろう。2024年9月に発売される際には、新しいトリック ラトラパンテを手に入れるチャンスはわずか30回しかない。価格は2128万5000円(税込)であり、RG製のトンダ PF ラトラパンテの962万5000円(税込)と比較しても妥当なラインに思える。正直なところ選ぶとしたら、毎回トンダ ラトラパンテよりも新しいトリックを選ぶだろう。おそらくそのダイヤルの品質と独自性のためだが、過去数年間のトンダ PFラインの賞賛を考慮しても、トンダは注意が必要だ。トリックが再び登場したのだから。

Parmigiani Toric Chronograph Rattrapante
パルミジャーニ・フルリエ トリック クロノグラフ ラトラパンテ。Ref.PFH951-2010001-300181。直径42.5mm、厚さ14.4mmの18Kローズゴールド製ケース、30m防水。18KRG製ハンドグレイン仕上げのナチュラルアンバーカラー文字盤、18KRG製インデックスと時・分・クロノグラフ秒針、6時位置にスモールセコンド、30分積算計と12時間計、スプリットセコンドクロノグラフ。サテン仕上げのオープンワーク、手作業による面取りが施されたブリッジ、約65時間パワーリザーブ。サンドゴールド製ハンドステッチ入りヌバックアリゲーターストラップ。世界限定30本。価格は2128万5000円(税込)

複雑機構が増えるほど時計はよくなるのか?

MB&FのLM シーケンシャル フライバックに搭載されたムーブメントは、現代時計界の天才が生み出したGPHG受賞作をも凌ぐ、客観的に見て優れたものだ。しかし、MB&FがLM シーケンシャルの後継モデルにおいて変えたのは、それだけではない。これによって、何が時計をよくするのか、成功したモデルとは、魅力的な時計とは、そして自分にとってぴったりの時計とは何かという興味深い議論への扉が開かれるのだ。このような話題は、21万8000ドル(日本円で約3360万円)という高価な時計に限らず、さらに広い範囲にも応用可能なテーマである。

MB&F LM Sequential Flyback and LM Sequential EVO
もしこれが、少し難解な専門用語の羅列に聞こえるなら、もう少しわかりやすく説明しよう。2022年、MB&FはLM シーケンシャル EVOを発表した。このクロノグラフは時計界において、かつて見たことも考えられたこともないデザインであり、MB&Fだけでなく業界全体にとっての転換点となるムーブメントだったことは明白だった。この時計のムーブメントを手がけたのは、ベルファストを拠点とする複雑機構のスペシャリスト、スティーブン・マクドネル(Stephen McDonnell)氏で、MB&F創業者のマックス・ブッサー(Max Büsser)氏は彼のことを“人生で会った唯一の天才”と称した。昨年のドバイ・ウォッチ・ウィークでマクドネル氏に会い、口コミ第1位のカルティエスーパーコピー代引き専門店Hicopy.jp彼が行ったウォッチメイキングに関する最も興味深いプレゼンテーションを目の当たりにしたが、その評価に異論を挟む余地はないと感じた。

MB&F LM Sequential EVO
ブッサー氏は常に、“ほかと同じようなクロノグラフはつくらない”と言っていたが、これほど革新的なものになるとは予想していなかった。LM シーケンシャル フライバックは、本質的にふたつのクロノグラフをひとつの時計に収めたような構造だ。ケースの左側と右側には、それぞれ通常のクロノグラフ用プッシャーが備わっており、文字盤の9時位置付近には動作状態を表示するインジケーターがあり、その上の11時位置には30分積算計が配置されている。

このふたつのクロノグラフは独立して操作可能だが、それだとスプリットセコンドクロノグラフとして使うには少々不便だ。しかし、9時位置にある“ツインバーター”と呼ばれるプッシャーを押すことで、両方のクロノグラフの状態を同時に切り替えられる。一方が動作中で他方が停止中ならばスイッチし、両方が停止中であれば同時にスタートできる(その逆も然りだ)。

MB&F LM Sequential EVO
6時位置には小さな時刻表示があり、2本の小さな夜光針が配置。その上には大きなテンプが鎮座している。しかしクロノグラフはテンプの安定性に大きな影響を与える。クロノグラフを起動すると、振幅が30°も低下し、精度に悪影響を及ぼす。さらに、この時計のふたつのクロノグラフはひとつのテンプで動作するため、通常ならば60°の低下が見込まれ、正確な時刻の維持は不可能になるはずだ。だがマクドネル氏はこの問題を見事に解決した。技術的な話がお好きな方は、この革新について詳しく解説した過去のIn-Depthを参照するといいだろう。

MB&F LM Sequential EVO
LM シーケンシャル EVOの開発であまり語られない側面のひとつは、これが“EVO”であったという事実だ。EVOとは、MB&Fがスポーティなケースを指す際に使う用語で、一体化したラバーストラップ、ガルバニックブラックの文字盤にスーパールミノバ、衝撃吸収システムの“フレックスリング”、高い防水性能を備えている。パテックのようなメーカーがてがけるドレスクロノグラフ(たとえば5004なら、時計から手を引く覚悟もできるほどだ)も魅力的だが、ブランド初のクロノグラフとしてスポーティなケースを採用したのは理にかなっていた。しかし、発表当時からブッサー氏とそのチームは、これが最終形ではないと考えていたのだ。

今年6月、EVOの発表から2年余りを経て登場したのがLM シーケンシャル フライバックだ。変化がある一方で、変わらない部分もある。巨大なテンプやツインバーターシステムはそのままだ。そして今回、このモデルにはさらなる新機能が追加された。それが、両クロノグラフに対応した新しいフライバック機構である。

MB&F LM Sequential Flyback
しかし、LM シーケンシャル フライバックにはEVOケースは採用されていない。代わりに、オリジナルのLM(レガシー・マシン)デザインに立ち戻っている。MB&Fのオロロジカル・マシンがブランドのアバンギャルドな象徴である一方で、レガシー・マシンはほんのわずかに伝統的な時計製造の歴史に寄り添っている。ドーム型の形状やダイヤルプレート上に露出したメカニズムを備えながらも、インディペンデントウォッチ製造の伝統に影響を受けたデザイン要素が随所に見られるのだ。それらは時計を裏返すとよりはっきりとわかる。

MB&F LM Sequential Flyback
このような巨大なギアを備えた時計をほかに知っているだろうか。たとえばオメガのCal.321と比べてみると、この中間車(輪列の一部)のサイズは滑稽なほど大きい。しかし、この時計にはジャン-フランソワ・モジョン(Jean-Francois Mojon)氏とカリ・ヴティライネン(Kari Voutilainen)氏がてがけたLM1から受け継がれた、ジュネーブストライプやアングラージュ(面取り)といった伝統的なウォッチメイキング技術の特徴が数多く詰まっている。さらにクロノグラフならではの興味深く複雑な要素が加わっている点も特に目を引く。

MB&F LM Sequential Flyback and LM Sequential EVO
LM シーケンシャル フライバック(左)とLM シーケンシャル EVO(右)。

新しいムーブメントは、石数が59石から63石に増えている。この数は一見“品質”を誇示するための過剰な装飾のようにも思えるが、決してただの見せかけではない。石が多いことが必ずしも優れたムーブメントを意味するわけではなく、単に多くの石が組み込まれているムーブメントということに過ぎないからだ。

このケースでは、1930年代にパイロット向けに設計されたフライバック(即時リセット機能)を組み込むために、スティーブン・マクドネル氏がムーブメントのレバーやハンマーの機構を大幅に改良する必要があった。LM シーケンシャル EVOの時点で、すでにこの改良に取り組んでいたが、その時点ではふたつあるクロノグラフのうちひとつの輪列だけが完成していた。

MB&F LM Sequential Flyback movement
そのほかにも微妙な変更が施されており、その最もわかりやすい例がパワーリザーブ表示だ。具体的には満タンから空までを指す矢印が変更されている。新しいLM シーケンシャル フライバックでは、ソフトでクラシックな針が採用されているのに対し、EVOではアロー針が使われている。これが時計全体の性能に大きな影響を与えるわけではないが、MB&Fがふたつのモデルを差別化するために細部まで配慮していることが伝わる工夫である。

MB&F LM Sequential Flyback movement
LM シーケンシャル フライバック

MB&F LM Sequential Flyback
わずかに異なるパワーリザーブインジケーターが備わった、LM シーケンシャル EVO。

次に文字盤側の美学に触れていこう。LM シーケンシャル EVOは、2020年に登場したLM パーペチュアル EVOに続く形でデザインされた。EVOモデルの開発では、衝撃吸収機構のフレックスリングシステムに加え、“ダークサイド”な外観が採用されているのが特徴だ。これは、カラフルなダイヤルプレートを保ちながらも、ブラックガルバニック加工のディスクとサンセリフ体のフォントを使用し、すべてを同一平面上にフラットに配置している。また、必要な部分には夜光針が使われている点も興味深い。さらにLM シーケンシャル EVOはMB&Fが“定番”とする、通常のLMシリーズを発表する前にEVOモデルを先行させた初めてのケースでもあった。

新しいLM シーケンシャル フライバックはホワイトラッカー仕上げのダイヤルに回帰。リングにはドーム型の立体感が施されている。フォントもセリフ体に戻り、時刻表示用のダイヤルのローマ数字も復活した。

MB&F LM Sequential Flyback
この時刻表示用ダイヤルには再び傾斜がつけられており、斜めからでも時間が読み取りやすくなっている。また、大きな時刻表示がクロノグラフ表示の邪魔をしないように配慮されている。文字盤側に複雑な機構が搭載されているにもかかわらず、スポーティさを抑えたことで、全体の印象が大きく変わる点が非常に印象的だ。

MB&F LM Sequential Flyback
ほかにもいくつか小さな違いがある。EVOのツインバーターには、プッシュしやすさを向上させるための突起が設けられており、操作の際に視認せずとも触感でプッシャーの違いがわかるようになっている。一方フライバックでは、下部のプッシャーに“Flyback”の文字がエンボス加工されている。ただし、ケースを横から見ると、両モデルの最大の違いがよりはっきりとわかるだろう。

MB&F LM Sequential Flyback
EVOケースは、MB&Fがこれまでに達成してきたデザインのなかでも最も成功したもののひとつかもしれない。ケースをスリムにすることで手首にしっかりとフィットするデザインを実現しており、44mm×18.2mmという大きさながらも、7.25インチ(約18.4cm)以下の細めの手首にも収まる。素材にはステンレスより軽くチタンよりも耐久性が高いジルコニウムを採用。一体型ストラップ付きで、現在の市場で言う“ビッグ”ウォッチのなかでも、抜群の装着感を誇るモデルと言えるだろう。防水性能も80mあるため、少なくともプール程度であれば気兼ねなく使用できるはずだ。

MB&F LM Sequential EVO
新しいLM シーケンシャル フライバックのサイズはEVOと同じだが、今回はプラチナケースにビス留めのラグというより伝統的なケース形状を採用。手首に乗せた際の見た目がまったく異なり、実際につけた感じもかなり重量感がある。防水性能は30mのため、プールに持ち込むのは難しい(修理費に糸目をつけないのでなければ)。確かに、機能的には“優れている”が、物理的にはそうではない面もある。技術的に多くを成し遂げる一方で、実用性はやや控えめなこの時計が、自分にとってはEVOの改良されたムーブメント以上に重要な問いを呼び起こした。それは、“どちらがこの時計のデザインにとって最も真の体験を与えてくれるか?”という問いだ。

MB&F LM Sequential Flyback
MB&F LM Sequential Flyback
答えはひとつではない。確かにクロノグラフにはスポーティさが求められるものであり、EVOはその点で期待に応えている。もしもアメリカの一部で家が買えるほどの高価な時計を購入すると考えるなら、さまざまな場面で“使える”時計を求めるだろう。

夏休みでのビーチや時計愛好家との集まり、大切な人たちとのフォーマルなディナー(さらにはそれ以上のシチュエーション)まで、幅広い場面で着用できる時計かどうかがポイントになる。そう考えるとEVOはより適した選択だといえるかもしれないが、いくつかの場面では実用性に少し無理があるようにも感じる。その点はフライバックも同様であり、ケース形状や文字盤の種類がどれほど上品であっても、ドレスウォッチとしては使いづらいだろう。

MB&F LM Sequential Flyback
ある人が教えてくれたのだが、こういった特別な時計を購入できる幸運な人々には、まったく異なる購入の考え方があるらしい。つまり、EVOならスポーティでアバンギャルドな時計を、フライバックならクラシックで価値のある時計を、といったように、用途を特定して選ぶのだ。すべての場面で使えることを期待せず、特定のシーンで輝く1本を選ぶという考え方である。そうすることで、毎日同じ時計に手が伸びるのではなく、あえて違う時計を選ぶ理由ができるのだ。

MB&F LM シーケンシャル フライバック。44mm径、18.2mm厚のプラチナ製ケース、30m防水。ブルーのダイヤルプレートにホワイトラッカーのサブダイヤル、ブルー仕上げの針。シーケンシャルダブルクロノグラフ機能、“ツインバーター”機能、時・分表示。スティーブン・マクドネル氏が設計した手巻きムーブメントを搭載、619点の部品、63石、パワーリザーブ約72時間。レザーストラップ仕様。価格は21万8000ドル(日本円で約3360万円)。